「うちの会社は副業禁止だけど、これって法律的にどうなの?」「副業を認めない会社って違法じゃないの?」――副業を始めたいサラリーマンが最初にぶつかる壁が、会社の副業禁止ルールです。
結論からお伝えすると、会社が副業を禁止すること自体は違法ではありません。ただし、全面禁止は法的に認められにくくなっています。2026年現在、厚生労働省は副業・兼業を推進しており、合理的な理由のない副業禁止は無効と判断された裁判例もあります。この記事では、副業禁止の法的根拠、会社が禁止する理由、禁止でもできる副業、就業規則の確認方法を解説します。
副業禁止は違法なのか?法律の原則
副業禁止の違法性とは、会社が従業員の副業を制限することが法律上許されるかどうかの問題のことです。
日本の法律には「副業を禁止する」という規定は存在しません。むしろ、日本国憲法第22条で「職業選択の自由」が保障されています。つまり、原則として労働者は自由に副業できます。
| 法律・判例 | 内容 |
|---|---|
| 日本国憲法 第22条 | 職業選択の自由を保障 |
| 労働基準法 | 副業禁止の規定なし |
| 厚労省ガイドライン(2018年〜) | 副業・兼業を推進する方針 |
| マンナ運輸事件(2000年) | 副業を理由とする解雇は無効と判断 |
| 十和田運輸事件(2009年) | 会社の利益を害さない副業の禁止は無効 |
ただし、就業規則で副業を制限すること自体は合法です。会社には「企業秩序維持権」があり、業務に支障が出る場合や競合他社での副業など、合理的な理由があれば制限できます。
会社が副業を禁止する5つの理由
会社が副業を禁止する理由とは、企業が就業規則で副業を制限する際の根拠となる懸念事項のことです。
理由1:本業への支障
副業による疲労で本業のパフォーマンスが落ちることを懸念しています。夜中まで副業して翌日の本業に集中できない、というケースは実際にあります。筆者は朝5:30に起きて出勤前に副業することで、この問題を回避しています。時間管理の方法は「副業で挫折しないタイムブロック設計法」で解説しています。
理由2:情報漏洩のリスク
本業で知り得た機密情報が副業先に漏れることを恐れています。特にIT系や金融系の企業はこの点を重視します。
理由3:競業避止義務
同業他社で副業されると、顧客やノウハウの流出リスクがあります。これは法的にも制限が認められやすい理由です。
理由4:労働時間管理の煩雑さ
副業先との労働時間の通算管理が複雑になります。2026年の労働基準法改正でルールが見直されましたが、企業の負担は依然として大きいです。詳しくは「労働基準法40年ぶり大改正|副業サラリーマンが知るべき7つの変更点」をご覧ください。
理由5:企業イメージの懸念
「従業員が副業している=うちの会社の給料が安い」と見られることを嫌がる企業もあります。ただしこの理由は合理的とは言い難く、副業解禁する企業が増える中で考え方は変わりつつあります。
2026年の副業解禁の流れ
2026年の副業解禁の流れとは、政府と企業の双方で副業・兼業を推進する動きが加速している現状のことです。
- 2026年4月:国家公務員の兼業規制緩和。趣味や特技を活かした自営業の兼業が可能に
- 厚労省のモデル就業規則では、2018年から副業・兼業を「原則容認」に改定済み
- 副業解禁企業が急増。大手企業でも副業を認める会社が増加中
- 裁判例の蓄積。合理的理由のない副業禁止は無効とされるケースが増えている
公務員の副業解禁については「公務員の副業解禁!OK例・NG例・申請手順を解説」で詳しくまとめています。
就業規則の確認方法と読み方
就業規則の確認方法とは、自分の会社が副業をどのように規定しているかを正確に把握する方法のことです。
就業規則の入手方法
- 社内イントラネットで公開されている場合が多い
- 人事部・総務部に閲覧を依頼する(従業員には閲覧権利がある)
- 入社時にもらった書類を確認する
チェックすべきポイント
| 記載パターン | 意味 | 副業の可否 |
|---|---|---|
| 「副業を禁止する」 | 全面禁止 | 原則NG(ただし法的には争える) |
| 「許可を得た場合に認める」 | 許可制 | 申請すればOKの可能性あり |
| 「届出により認める」 | 届出制 | 届け出ればOK |
| 記載なし | 規定なし | 原則OK(念のため確認推奨) |
「許可制」の場合は申請してみる価値があります。筆者の知人は「Webライティングの副業をしたい」と申請し、本業に支障がないことを説明してOKをもらいました。
副業禁止でもできる副業の種類
副業禁止でもできる副業とは、就業規則の副業禁止に抵触しにくい収入源のことです。
| 副業の種類 | バレにくさ | 理由 |
|---|---|---|
| 株式投資・FX | ◎ | 「資産運用」であり副業に該当しない |
| 不動産投資 | ◎ | 「資産運用」として多くの企業で認められている |
| ブログ・アフィリエイト | ○ | 個人の情報発信で雇用関係がない |
| フリマアプリ(不用品販売) | ◎ | 生活上の処分であり副業に該当しない |
| Webライティング | ○ | 業務委託で雇用関係なし。住民税対策が必要 |
| ハンドメイド販売 | ○ | 趣味の延長として始めやすい |
株式投資や不用品販売は多くの企業で「副業」と見なされません。一方、Webライティングやブログは業務委託・個人事業として行うため、住民税の対策が必要です。バレない方法は「副業がバレない方法7選」で詳しく解説しています。
副業禁止の会社で副業がバレた場合のリスク
副業がバレた場合のリスクとは、就業規則に違反して副業していたことが会社に発覚した場合に受ける可能性のある処分のことです。
| 処分 | 内容 | 可能性 |
|---|---|---|
| 口頭注意 | 「やめてください」と言われる | 最も多い |
| 始末書提出 | 書面で反省を求められる | やや多い |
| 減給・降格 | 給与や役職が下がる | まれ |
| 懲戒解雇 | 即日解雇 | 非常にまれ(裁判で無効になるケースも) |
重要なのは、副業を理由とする懲戒解雇は裁判で無効とされるケースが多いということです。特に本業に支障がなく、競合他社での副業でもない場合は、解雇は過度な処分と判断されます。ただし、会社との関係が悪化するリスクはあるため、できる限り住民税対策を行い、バレないようにするのが現実的です。
よくある質問(FAQ)
Q. 副業禁止の会社で副業するのは違法ですか?
違法ではありません。就業規則違反にはなりますが、法律に違反するわけではありません。ただし、会社との信頼関係を損なうリスクがあるため、住民税対策などバレない工夫は必要です。
Q. 会社が副業を全面禁止するのは合法ですか?
就業規則で禁止すること自体は合法です。ただし、合理的な理由がない全面禁止は裁判で無効と判断される可能性があります。厚労省も副業・兼業を推進する方針です。
Q. 副業を理由に解雇されることはありますか?
本業に支障がなく、競合他社での副業でもない場合、副業を理由とする解雇は裁判で無効とされるケースが多いです。ただし、口頭注意や始末書提出などの軽い処分はありえます。
Q. 副業禁止でも投資(株・FX)はできますか?
株式投資やFXは「資産運用」であり、副業には該当しません。多くの企業で認められています。不動産投資も同様です。
Q. 副業を会社に申請する場合、何と言えばいい?
「スキルアップのためにWebライティングの副業を行いたい。本業に支障がないよう時間管理を徹底する」と伝えるのが効果的です。副業の内容、時間帯、本業への影響がないことを具体的に説明してください。
まとめ:副業禁止でも選択肢はある
副業禁止の会社でも、選択肢はゼロではありません。
- 副業禁止自体は合法だが、全面禁止は法的に争える
- 就業規則の「許可制」「届出制」なら申請してみる価値あり
- 株式投資・不用品販売は副業に該当しない
- Webライティングなどの業務委託型は住民税対策でバレにくくできる
- 2026年は公務員も副業解禁。「副業禁止」の時代は終わりつつある
筆者は副業禁止の会社で10年間副業を続けてきました。最初は怖かったですが、住民税を普通徴収にする対策をきちんと行えば、バレるリスクは大幅に下げられます。副業の始め方を知りたい方は「副業の始め方完全マニュアル」を、バレない具体策は「副業がバレない方法7選」をご覧ください。